特集 問われる事務(部・局)長の経営能力
病院事務長に何を期待するか
各部署の長が管理責任をとれる組織の確立を
中村 秀夫
1
1愛友会上尾中央総合病院
pp.1090-1092
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902276
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淘汰の時代へ
戦後50年目覚しい復興を遂げた日本経済とともに,医療も世界的水準に追いつけ追い越せで医療保険制度の改革,特に1961年より発足した国民皆保険制度の実施により先進国の中でも類をみない医療保険制度の確立と医療機関そして医療従事員の確保ができました.しかしその反面超高齢化社会の進行とともに,医療施設の過剰の問題が取り上げられています.
バブル経済の崩壊とともに日本経済不況の中で国民総医療費の削減に政策が向けられ1990年に10,096病院,1996年には9,496病院と1年間に100病院つつ淘汰されています.今年9月から医療保険法の改正により健康保険本人,老人保健の一部負担,薬剤負担の増額は,国民総医療費の抑制,健康保険財政赤字を口実とした患者さんの受診抑制が最大の目的であり,外来の患者さんを中心に患者数の減少,受診率の低下が著明に現れています.そのうえ,政府は2000年を目安に高齢化社会を迎え,自然増だけでも年間8,000億円必要な社会保障費を3,000億円に圧縮する方針であり,5,000億円の削減のうち,医療保険よりその80%,4,000億円を削減する方針です.まず患者さんの一部負担の増額,そして薬価基準の改正などは医療機関にとって死活問題であることはいうまでもありません.今後2,500病院を淘汰し7,000病院くらい残ればよいといっています.
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