保健・医療・福祉政策ウォッチング
小地域における医療費適正化
病院問題研究会
pp.742-743
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902187
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深刻な財政危機を背景として,国家レベルでは,健康保険法改正だの医療保険改革だのと増大する医療費を抑制しようとする論議が高まっているが,これらは,医療を巡る金銭の流れる仕組みを法によって変えてしまおうとするものであり,法改正という手段を有していない市町村にあっては,同じく深刻な財政危機に陥っているとはいえ,医療費適正化に関する論議はさほど熱くなってはいない.むしろ,公立病院を抱えている自治体では,病院の赤字対策のほうが関心の的であり,病院の増収対策に腐心し,結果として,地域の総医療費の増大に貢献する結果となってしまうことが多い.
日本という国家は自治体の集合体であり,個々の自治体レベルでの医療費適正化が成功しない限り,わが国は医療費危機から脱することはできないであろう.ここでは自治体の首長の視点で増大する医療費の問題に取り組んでみたい.
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