特集 病院機能評価の動向と将来
医療評価活動の国際的動向
橋本 廸生
1
1国際医療福祉大学医療経営管理学科
pp.433-436
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療評価活動といっても国際的にみた場合,その取り組みは様々である.国々の社会経済的状況,社会保障制度全体の枠組み,医療供給体制や医学教育のありよう,いわゆる医療文化風土,これらが異なれば評価というデリケートな問題への対応が様々であることは当然といえよう.
製造業では品質大国と自他ともに認めるわが国でも,こと対人サービスの分野での品質管理の立ち遅れは従来より明らかであった.医療の評価はサービス自体の特異性もあり,関係者間での合意の形成に時間を要してきた.厚生省と日本医師会の自己評価方式による「病院機能評価マニュアル」から,医療の質に関する研究会による「第三者評価方式の実地適用」など,およそ10年の様々な努力を経て,1995年夏に公益法人としての第三者評価組織である財団法人日本医療機能評価機構が設立された.現時点での活動は,実質2年弱のfeasibility studyの経験をふまえて1997年4月より本事業に入った段階である.第三者評価事業の稼働のための一定の必要事項は整備できているものと思われるが,研究開発の方向やその体制構築,サーベイヤー組織のあり方,等々残された取り組むべき課題も多い.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.