特集 病院におけるマルチメディア
医療情報システムとマルチメディア—仮想空間の医療への利用
小山 博史
1
1国立がんセンター中央病院脳神経外科,がん診療支援システム総括斑
pp.244-247
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902055
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21世紀の社会システムの変革は「データのデジタル化,デジタルデータからの情報の構築,情報流通を加速化させるネットワークの拡大」の3点に象徴される.このような時代の変革に伴つて医療社会もシステム化によるリエンジニアリング(メディカル・リエンジニアリング)の時代に突入している.社会情報のデジタル化やパーソナルコンピュータの低価格化およびネットワークの普及は自然に診療情報や病院情報,医療情報のデジタル化を加速している.
加速化された診療情報のデジタル化は医療連携のあり方を既成の医局中心縦型病院間連携の形態から互いの目的に応じた水平型病院間連携の形態に変えつつある(テレメディスン).また,医療社会のデジタル化は,患者間の医療情報伝達取得手段として今まで主流であった「聞き込み・噂型」から欧米のように時空間的な制約の少ない「電子メールフォーラム型」に広がりつつある.さらに,信頼のおける医師情報や治療情報など,患者に不可欠な情報が海外からも簡単に入手できる時代になりつつある.より正確な医療情報をもとに患者自身が自らの決断を行うことを支援できるようになりつつある(インフォメーション・テラピー).
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