特集 医療機能評価で病院はどうなる
第三者医療機能評価を経験して
事務局長の立場から
井野 節子
1
1医療法人社団汐咲会井野病院
pp.645-647
発行日 1996年7月1日
Published Date 1996/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901855
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私どもが,当時第三者病院機能評価団体でありました「病院医療の質に関する研究会(JHQAS)」の評価を受けたのは,平成6年の8月でした.当時まだ(財)日本医療機能評価機構は,できておりませんでした.たまたま友人の紹介で加入しましたが,入会早々サーベイのお誘いがありました.入会の条件の一つにサーベイを受けることが掲げてありましたので,当然のこととしてお引き受けしました.早々のお誘いがあったのは,恐らく私どもが,一般100床という典型的な中小病院だったからではないかと思います.私どもの病院は,姫路という中核都市の郊外に位置し,高齢者の多い地域で,内科中心に外科と整形外科と眼科を擁し,在宅医療に関しては昔の往診の風習が残った地域であっただけに10年以上も続けてきた,まさに「地域医療」を地で行く病院であります.評価を受ける決心をしたのは,経営のトップである理事長と私でした.果たして中小病院は本当に質的に大病院に比べ劣っているのだろうか?第三者の目で見てもらおうと思いました.トップとしては,自分の病院にできることは,できるだけやっているつもりでしたが,中小病院ゆえに大病院に比べてたいへん大きなハンディを負っていました.勤務医師も,職員でさえも,「おおきいことはいいことだ」という認識を持っていました.患者さん,一般市民に至っては,「何をかいわんや」でした.
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