特集 病院のネットワーク化を追う
ネットワーク化の歩み—県をまたいで医療情報を
大田 浩右
1
,
佐藤 昇樹
1
1大田記念病院
pp.547-550
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901827
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はじめに
当院をキーステーションとするCT画像伝送システムによる広域脳疾患救急医療ネットワークは現在参加病院が25病院あり,すべての病院が本システムに自主的に参加し連携している.画像伝送システムの発端は,広島県東部,岡山県西部において脳神経外科専門病院が当院しかなかったため,近隣の医療機関から特に救急患者の当院への転送の必要性について,電話相談を受けることが多かったことである.昭和50年代の後半CTの普及とともに,近隣医療機関からの紹介もCT画像所見を含めたものとなってきた.そこでCT画像伝送装置の開発に取り組み,1985年,池上通信の協力を得て大田式静止画像伝送装置を開発した.1986年,当初はまだ離島であった因島市医師会病院および三原市医師会病院との画像伝送を実験的に開始した.
情報技術の進歩により,現在はテレラジオロジー,テレメディスンという言葉が一般的に用いられるようになったが,本システムは,今から10年前の1986年にスタートしており,テレメディスンネットワークを利用した遠隔診療支援システムとして,実際の医療現場で本格的に普及している全国的にもまれなケースと言える.
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