特集 大学病院と関連病院との関係を問う
大学病院・医局・関連病院
本誌編集室
pp.135-138
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901722
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医局の定義と目標
全国に80ある医科大学にそれぞれ診療科目や講座毎に医局があり,研究・教育・診療に励んでいる.各大学には30ぐらいの診療科はあるだろうから,全体で2,000ぐらいの医局数ということになるだろうか.一方,市中の一般病院にも医局は必ずある.「医局」は単に部屋の名前だったりもするが,身分や所属を同じくする医師がグループで意思決定や活動を計画的に行なう場合も加えると,それこそこの世には無数の医局が存在することになる.
しかしながら,通常「医局」と言えば大学病院の医局を指す.大学の医局は研究・学生や研修医の教育・大学病院の診療そして関連病院への医師の派遺と多機能ぶりを発揮する「多機能の複雑な組織」である.定義は明確にはできないが,医局の特徴は何と言っても人事機構であろう.学生を一人前の医師に育て,社会に送り出す,この間の医局員との間でなされるgive and takeをベースにした活動がすべて医局活動になる.したがって,人事を持たない医局は定義から外れると言ってよい.また,医局の目標は担当科目での専門医養成を通じ,質の良い関連病院,ポスト,学会,業会でのアイデンティティーの確立と勢力拡大と言ってよいかも知れない.
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