レポート【投稿】
大学医局について(1)
島内 武文
1
,
車田 松三郎
2
1東北大学・病院管理学
2東北大学病院管理学教室
pp.103-109
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203912
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わが国の医科大学付属病院の医局は,多くのわが国の医師を育ててきた場として,一般医療,ことに病院のあり方に大きな影響を与えてきたばかりでなく,直接間接にわが国の医学教育・研究の中心として,はたまた臨床医師の供給のプールとして,社会的にも重要な役割を果たしてきており,それだけにまたその功罪とその改善が慎重に検討される要がある.
大学病院の医局の特徴であり,近来その改善ないし解体を叫ばれているところの要点は,講座(または教室)医局制ということにある.すなわち医局は通常医学部の講座に直結する付属病院各診療科ごとに,教授を中心として形成され,その診療科ならびに関連の医学部講座(教室)に属する助教授・講師・助手・副手(旧制)ならびにいわゆる無給医などの医師を中核とし,日常の運営には関連の大学院研究生やレジデンツ(研修医)・インターン(実地修練生)・見学医なども包含している.いわば講座ないし教室の主任たる科長(教授)を中心とし,当該科の患者の診療に従事する者の団体ということができる.大学医学部付属病院の規程には‘各診療科に医局をおき,医局に医局長をおいて主任(教授)を補佐する’と定め,主任の命をうけてその管理的事務に従事させている.
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