特集 薬価と病院経営
製薬企業の立場からみた薬価
尾藤 猛
1
1日本製薬工業協会
pp.250-253
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901465
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はじめに
最近の国民医療費は,対前年比で5.9%(平成3年),7.6%(平成4年)と伸びているが,これに比して医薬品生産額は,1.8%(平成3年),−2.2%(平成4年),2.2%(平成5年)と低成長であり,GNPに占める割合も,それぞれの年で1.24%,1.20%,1.21%と相対的に低下傾向にある.
平成5年の医薬品生産額は,約5兆7千億円であるが,このうち84.6%の4兆8千億円が医師を通じて使用される医療用医薬品であり,これらのほとんどは薬価基準に収載されて健康保険制度で使用されている.医療用医薬品は,薬価基準に収載されていない限り健康保険で使用することが出来ず,薬価基準制度のあり方が,好むと好まざるとにかかわらず,製薬企業の経営にとって死命を制するものとなっている.
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