特集 病院と「くすり」
マスコミからみた薬価問題
水巻 中正
1
Chusei MIZUMAKI
1
1読売新聞社編集局社会部
pp.593-596
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208350
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薬価問題の怪
医薬業界の冬の時代,第二次医薬戦争—このところ,こうした言葉がマスコミをにぎわす.関係者にインタビューすると,「医薬業界はどうなるのですかね」と"逆取材"される始末である.4,5年前の高度成長期では考えられない現象があちこちで現れ,転換期の荒波が業界全体を直撃している.だが,歴史的にみれば,業界の受難は,暴利と惰眠をむさぼってきた業界の体質と無縁でないばかりか,現行の薬価制度,医療の在り方と深くかかわっている.
「この度の薬価切下げで中小製薬企業の経営を破綻させるつもりか」と57年10月,「中小製薬企業を守る会」のメンメンが厚生省前に集結,58年1月から実施される薬価基準の改定に抗議した.それからはや1年半余りの歳月が流れた.
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