主張
民間病院のキャピタル・コスト
N
pp.417
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901224
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平成6年の社会保険診療報酬の改定は,4月から3.3%,10月から1.5%,併せて4.8%で決定した.従来に無い変則改定であることは別にしても,実質2%台の改定である.前回平成4年4月改定も実質2.5%であった.改定は2年毎なので,平均としていえばこの4年間は即ち毎年1%強の増収以外は経営努力により収益を保つ以外に無いわけである.事実,平成4年改定は人件費重点の改定であったためか,大病院においては平均7%前後の増収であった.しかし医療経済実態調査では改定後更に経営が悪化していることを示している.もう病院医療は今までと同じスケールで,今までと同じパターンでは経営が日増しに困難になると覚悟しなければならない.
このような医療をめぐる情勢の中で建物設備の改築を迫られている病院の今後はどうなるであろうか.公立病院においてはほとんどの場合,他会計の補助金を当てにした増改築が行われ,しかも固定資産税等の負担もない.民間病院の改築に際しては建築に要する資金に加えて消費税,取得税,固定資産税等も当然負担しなければならない.最近比較的経営の安定している民間中小病院の経営実態調査を個人的に行ってみた.総収益に占めるキャピタル・コストは平均おおむね10%前後であった.
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