特集 持つ病院,持たざる病院―法人制度から資金調達まで
「公益法人」としての社会医療法人のあるべき姿
山重 慎二
1,2
1大和総研経営戦略研究所
2一橋大学経済学研究科
pp.451-455
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100309
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今般の医療法人制度改革において,病院の形態としては,今後,非営利性を高めた「出資(拠出)額限度法人」と,非営利性に加えて高い公益性を持つ「社会医療法人」の 2 種類に収斂させていくというビジョンが明確にされた.本稿では,特定医療法人,特別医療法人といった公益性の高い医療法人の収斂先となることが期待される社会医療法人のあるべき姿について,同時に進められた公益法人制度改革との関連に注目しながら整理してみたい.
特集のテーマとの関連で言えば,社会医療法人は,個人が持分を持たないという意味での「持たざる病院」であることが求められる病院である.したがって,そのような「持たざる病院」の 1 つの姿である社会医療法人に求められる役割と与えられる特権を明確にしておくことは,今回の医療法人制度改革の意味を理解するうえで重要である.
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