事務長の業務を考える・1
病院の収支採算と組織効率
頼本 節雄
1
1財団法人倉敷中央病院
pp.89
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901144
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病院の収支採算を図る苦労
「病院冬の時代」と言われて久しいが,超高齢化社会の現実化と医療費抑制政策の推進が不可避とすれば,今後もこの北風は止むことなしと考えるべきであろう.これから3回に亘って事務長の業務について述べてみたい.
当院は昭和48年から57年にかけて基本施設すなわち病棟・外来施設・中央施設のすべてについて100億円を大きく上回る投資を行い,ほぼ今日の姿に近いものになったのであるが,57・58年度決算は1〜3億円の赤字となった.これは第一次石油ショック以前の設計と見積が貫けなくなり,超インフレに伴うコストアップが診療報酬アップを上回るのみならず,金利・償却費負担が今までになく過大となった結果であった.
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