特集 病院検査部門の動向と問題点
資料
病院検査部の収支状況
黒田 幸男
1
1済生会中央病院
pp.229-231
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206806
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検査部門の拡張と収益性
検査部門の収支状況は検査の高度化,自動化機器などの導入により変化した.前者の多くは不採算になり易く,後者は多量処理の効果としておおむね採算ベースに乗り利益率は高い.検査技術の進歩はそのような検査の質的変化と量的増加をカバーするため日々向上し,近代医学における臨床診断には欠かせない機能になっているが,反面,その多様化が問題になりつつある.
検査技術の質的変化は検査技師の技術革新をもたらし,検査の専門化・分業化を促進し,高度で複雑な検査に高価なME機器が導入される一方,量的増加に対しては検査の自動化,各種データのコンピュータによる自動処理の採用なども活発になり,能率的多量処理を可能にした.その意味では病院検査部門は今や精密検査工場化しつつあるともいえる.このような状勢は検査技師の増加と検査料収益の伸び方に具体的に現われている.自治体病院の経営分析調査によると検査技師の増加は昭和45年から昭和50年の6年間に病院職員数の伸び率122.4%を大きく上回る144.7%を示し,全職員数に対する構成比も昭和45年の2.2%から昭和50年の2.6%に増加している.
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