建築と設備・56
国民皆保険を達成した韓国の病院
伊藤 誠
1
Makoto ITO
1
1千葉大学工学部建築学科
pp.1281-1286
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900818
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■はじめに
この春(1990年3月末),まる7年ぶりに韓国の病院を訪れる機会を得た.とは言っても,ほんの数日間の駆足旅行で,見学できたのは僅かに3病院だったが,厚生省医政局地域医療課の朴允馨氏と韓国病院建築研究会の金光文会長(漢陽大学建築学科教授)のお2人から医療と施設の現況についてつぶさにお話を伺うことができたのは幸いであった.
久しぶりのソウルはオリンピックを経て急に立派になった,というのが空港を出た途端の第一印象であるが,車の増加の方がさらに急なのか交通渋滞は一層ひどくなったように思われる.また,空港からの車中で金教授が語るところによれば,この国でも,特に首都圏において,不動産投機熱が異常に高まり,地価上昇は大変なものらしい.政府は私有権の制限を含むかなり大胆な土地対策を打出したばかりのところであるが,効果のほどはいまひとつで、家賃高騰による悲鳴があちこちに聞かれると言う.
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