特集 病院と医療関連サービス
[座談会]これからの病院と医療関連サービスの役割
佐分利 輝彦
1
,
阿部 士良
2,3
,
霜鳥 一彦
4
,
大道 久
5
Teruhiko SABURI
1
,
Shiro ABE
2,3
,
Kazuhiko SHIMOTORI
4
,
Hisashi OHMICHI
5
1(財)医療関連サービス振興会
2日本医療法人協会
3久米川病院
4厚生省健康政策局医療関連サービス室
5日本大学医学部医療管理学
pp.114-122
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900024
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医療関連サービスの成り立ち
医療関連サービスの“認知”は昭和62年から
大道 もうすでに読者の皆さん方はご存じのとおり,わが国の医療関連サービスの役割についての議論が数年来大変盛んになってきています.患者さんを直接診療する医療施設本来の役割もさることながら,それに関連した周辺の事業の役割がきわめて重要になりつつあるということなのでしょう.まずこの話を進めるについては,佐分利先生に,わが国の医療における医療関連サービスの成り立ちについて総括的にご紹介いただいて,お話に入りたいと思います.
佐分利 医療関連サービスが初めて厚生省の報告等で取り上げられたのは昭和62年6月の「国民医療総合対策本部中間報告」からです.そのなかでは主として病院給食の代行委託を中心に民間の活力を使うという意見が出てきました.次いで同年9月の「医療経営の安定化・近代化に関する懇談会」の報告で,経営そのものの安定化・近代化のために医療関連サービスをこれから活川すべきではなかろうかという提言が盛り込まれました.また一方では,医療機関のなかでも,いいサービスのノウハウをもったところは自らもそういう事業の提供に乗り出したらどうかということを答申したわけです.
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