特別寄稿
医療パラダイムの形成と脳死社会[その2]—脳死社会アメリカの実像
秋葉 聰
1
1コーネル大学アジア学部
pp.1106-1110
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900529
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移植のための臓器・組織摘出
臓器移植の実態をさぐるために,まず,どのような臓器と組織が移植の対象とみなされているのか素描しよう.人間の体は,現在の時点では技術的と言うよりも倫理的な理由で,生殖器官の移植はなされていない.表1の数字は利用可能な臓器・組織の数を示す.
こうした臓器・組織はスペア・パーツ22)と一般的によばれているが,角膜,骨,髪の毛,精子,血液はバンクに貯蔵されている.角膜に関していうと,20州では本人による生前の拒否意思表示がない限り,死後,自動的に摘出される.
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