特集 診療記録と情報管理
診療記録の電子化—その現況と将来
里村 洋一
1
1千葉大学医学部医学部附属病院医療情報部
pp.864-868
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900472
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不遇な診療録
期待と現実
わが国の医療で,診療録が軽く見られているという批判が聞かれて久しい.米国での医療と診療録の管理を見て,その格差に危機を覚えた先達が,診療録管理学会の設立や,診療録管理士の養成に取り組んで,診療録の記述方法や管理技術の向上と,普及に乗り出したのは,既に20年以上も昔のことであるが,以来,特別に関心のある医療機関を除けば,この問題で,進歩があったとは言えない現状である.
多くの中小病院では,病歴管理の専任者がいない.専用の倉庫スペースや管理機器がそなわっていない.
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