特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文
【教養編】
薬剤経済学|「医療費を安くしろ!」ではなく「オカネは効き目に見合ってる?」を—医療とオカネの話
五十嵐 中
1,2
1横浜市立大学医学群 健康社会医学ユニット
2東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部 医療政策学
キーワード:
費用対効果
,
医療費
,
ICER
,
QALY
,
予防医療
,
予防神話
,
ワクチン
Keyword:
費用対効果
,
医療費
,
ICER
,
QALY
,
予防医療
,
予防神話
,
ワクチン
pp.567-571
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202598
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❶激アツ論文との出会い
筆者が「薬剤経済学(pharmacoeconomics)」に初めて触れたのは2001年、薬学部4年生の時であった。そこから数えれば、すでに19年経つが、そのうち少なくとも7割程度、2014〜2015年あたりまでは、薬剤経済学は名実ともに“日陰者”の領域だった。
「1カ月でも1日でも長生きできるなら、それを目指すのが医療というもの」「医療でオカネの話をするのは非倫理的だ」「人は人、うちはうち。海外ではオカネの話ができても、情に厚い日本では馴染まない」「人命は地球より重い」…。
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