特集 どうする中小病院
国保直診病院の現況—地域包括医療をめざす
山口 昇
1,2
1全国国保診療施設協議会
2公立みつぎ総合病院
pp.227-231
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900316
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国保診療施設は昭和30年代の前半,国民皆保険の一環として全国各地に設置された.当時は国民健康保険事業の直営診療施設として開設されたため,所謂「国保直診」と呼ばれたが,その後「国保診療施設」という名称に改められた.しかしその後も「直診」という従来の呼称で呼ばれて現在に至っている.
国保診療施設(国保直診)は国民皆保険を契機として,“予防と治療の一体化”をめざして開設されたもので,これは言い換えれば包括医療の実践である.年々高齢化が進むなかで,医療の流れもキュアからケアへ,更に施設ケアから在宅ケアへと変わり,“病気”をみる治療中心から“人”をみる医療へと変わりつつある.国保直診はこの4半世紀にわたって,開設目的をふまえながら地域で包括医療にとり組み,病院内での“待ち”の医療から地域へ“出ていく”医療へと転換をはかって来た.
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