特集 ストックからフローへ—総合的物品管理システムをめざして
最近の病院物流システムの考え方
中野 明
1
Akira NAKANO
1
1京都女子大学
pp.782-787
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900177
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はじめに
最近目にしたわが国のある医療機器メーカーが出している,病院物品管理システム設計のパンフレットの中に,「看護は,患者の不安と恐怖を取り除きますが,良い物品管理システムは,看護婦さんの不安と憂欝を取り除きます」とあった.また受託業務として,SPDを前提とした「物品管理ソフトウエアの設計,情報・運用等ソフトウエアとのコーディネート,建築等ハードウエアへのソフトウエアからの提言,ソフトウエアに基づいたハードウエアの開発」などが挙げられていた.このことは,病院においても,管理運営に関するソフトウエアの重要性が,認識されるようになってきたことを物語るものであろう.
しかし,これらの内容は,病院の搬送システム設計に関連して,機会がある度に,筆者がここ10年来言い続けてきたことであり,今になって,このことに病院関係者の関心が集まり出したのが,最近の病院の経営状態の悪化がもたらした産物だとすれば,本来の主旨からいえば手放しで喜ばべることではないのかもしれない.
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