特集 ストックからフローへ—総合的物品管理システムをめざして
総合的な院内物品管理とそのシステム化の課題
三田村 清幸
1
Kiyoyuki MITAMURA
1
1アイテック株式会社SMO事業部
pp.788-793
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900178
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はじめに
近年,病院内におけるいわゆる「物品」の流れを改善,または再構築する動きが顕著である.これには,人材不足,薬価差の是正化など,様々な理由が挙げられるであろうが,最大の理由は病院経営の適正化・効率化を前提に「物品」の購入,在庫負担を見直すという点である.病院内では多種多様の物品が,多数の部署で,診療行為および診療支援業務に供されており,医業費用に占める物品費は30%以上もの比率に及んでいる(表1,図1).しかし,病院というサービス業の中でも特殊な業務を行っている所で,これら多種類の「物品」の流通改善を計画しようとする場合,現在の流通業界で広く採用されている物流システムには参考にすべき点も多いが,半面なじまない面も多く存在する.また,病院経営者も診療分野の範囲外という理由から,これまでこの面での研究・開発を怠って来たように見受けられる.最近では数々の病院で物品管理の導入が報告されているが,日本の病院全体で見た場合,管理手法ならびに実業務的には未だ手探りの状態というのが現実であろう.
本稿では総合医療コンサルティングの一環として,今まで取り組んで来た事例から,病院内の総合的な物品管理とそのシステム化の課題について考える.
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