特集 「成育医療」がめざす周産期のケア
SPDシステム(Supply Processing & Distribution)の導入―物流システムが変わると助産が変わる
湯本 智子
1
,
阿部 聖世
1
,
三浦 寿子
2
1国立成育医療センター周産期病棟
2元 国立成育医療センター周産期病棟
pp.645-648
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100568
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はじめに
国立成育医療センターは,平成14年3月開院時より,患者のアメニティと安全確保を最優先に考えた医療システム(電子カルテシステム)の稼動を開始した。そして,院内の全ての物品管理は,診療を支える医療情報システムと統合,物流情報を一元化し,「業務の効率化」「医療の質の向上」「患者サービスの向上」を目的にSPD(Supply Processing & Distribution)システムをセンターの基幹システムとして整備してきた。
従来の分娩に関する物品管理は,購買窓口の分散化による過剰請求,過剰在庫による有効期限切れの発生,フロアスペースの占拠が問題であった。また,滅菌器材回収時の第1洗浄(これは付着した血液を洗い流すこと)と第1消毒を部署ごとで行なっていたため,分娩第4期の母子看護の妨げになっていた。今回,当院におけるSPDシステムとその導入がもたらした物品管理の実際と効用を紹介する。
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