特集 新診療報酬と今後の対応
新診療報酬で良質な看護の提供は望めるのか
基準看護未取得病院の立場から—医療法人社団三奉会井上病院
井上 信彌
1
Sinya INOUE
1
1医療法人社団三奉会井上病院
pp.722-725
発行日 1992年8月1日
Published Date 1992/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900161
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はじめに
昭和56年6月の▲18.6%の薬価改定に際し,奇しくも,この『病院』誌上において,スペースを与えられた当院事務長は,「病院は震えた」と表現し,加重平均値にもとづく薬価算定方式採用の必要性を改めて訴えたが,今回の改定診療報酬について意見を求められることになった私は,果たして何と表現すれば良いのであろうか.今,言うべき言葉を知らない.衝撃の度合いの大きさからである.
誤解をされないように明らかにしておくと,今回の診療報酬改定ほど,明確な意志,明白な方向性,大胆な点数配分等で厚生省の意図するところを具体化した改定は,かつてなかったのではあるまいか.しかし,大胆な改定ほどその一方で,弾力的な適用を心がける細かい配慮が必要なはずである.その意味で大いに不満がある.
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