Report
高齢化社会の医療と経済—国際シンポジウム報告
矼 暎雄
1
Teruo ISHIBASHI
1
1佐久市立国保浅間総合病院
pp.646-647
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900141
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「高齢化社会の医療と経済」に関する保健経済と医療制度をめぐる日本シンポジウムが昨年11月19日および20日,東京・箱崎のロイヤルパークホテルで開かれた.今回のシンポジウムはニューヨーク大学スクールオブビジネス,東京大学医学部中央情報部,同国際交流室,ハーバードメディカルスクール医療施策部・政策部などの主催でもたれたもので,保健医療および医療経済などの関係者が,主催者の予想を上回る多数の参加者が参集し,この問題への関心の高さを窺わせた.
最初にマウントサイナイ医療センターのバトラー教授により「21世紀に向かっての日米医療政策—老年医学の役割」と題する基調講演が行われた.この中で老年医学は以前は関心が低かったが,高齢化が進むなかで漸次関心が持たれるようになり,1970年代にマウントサイナイ大学に初めて老年医学部が設置されたこと,また老年医学をこれからの医学・医療の展開に広く取り込む必要性を述べた.さらにわが国の「ゴールドプラン」を政策上評価した.筆者はわが国の老年医学の誕生については無知であるが,教授の著書にも見られるような「地域に密着した老年医学」の展開に米国の医療の広がりを見る思いがした.
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