看護管理の目・6
看護婦から見た院長論
川嶋 みどり
1
Midori KAWASHIMA
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.648-649
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900142
- 有料閲覧
- 文献概要
問題がない限り,遠くの人
病院の規模にもよるが,院長室は通常管理棟の奥深くにあって,一般の職員が直接訪れる機会はあまりないのがふつうであろう.患者の場合も,特診以外の人にとっては,院長は日常的には無縁の存在であるといってよいかも知れない.何か大きなトラブルか苦情が発生しない限り,院長がどなたかさえ知らずじまいで過ぎていく.病院によっては,朝礼時に幹部職員が集まって打合わせをしたり,一般職員も集まって院長訓示を聞き,1日が始まる場合もあるようだが,こうした病院は数少ないといっていいだろう.
病院管理面では,事務部門,看護部門の長が院長のもっとも近くにいて,種々の情報交換や報告が行われる.したがって,院長の病院管理哲学や,リーダーシップは,直接的に看護管理面にも影響してくる.失礼ないい方ではあるが,院長となられる方のすべてが,行政手腕や経営能力に長じている方ばかりとは思えない.名前だけの飾りに徹しておられる場合はそれなりに対応の仕方もある.だが,おもし院長や独走院長の場合には,これを補佐する事務部長と看護部長の苦労は大変大きいようである.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.