厚生行政展望
介護機器の開発
厚生行政研究会
pp.90-91
発行日 1992年1月1日
Published Date 1992/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900018
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既に言い古されてはいるが,わが国は21世紀初頭には人口の4人に1人以上が65歳以上という超高齢社会を迎える.特に,高齢者のみの世帯(一人暮らしや夫婦のみ)は既に高齢者のいる世帯の3割に達しており,核家族化が進行するなか,今後ますます増加することが予想されている.介護者自身の年齢について,約4割が60歳以上であるというデータもあり,高齢者が高齢者を介護するという事例も増えていくことは想像に難くない.さらに,障害者も重介護を必要とする者の割合が高まっている.
これに備えるために,厚生省では,平成2年度から開始した高齢者保健福祉推進十か年戦略等に基づき在宅福祉・施設福祉対策を実施していくとともに,保健医療・福祉マンパワー対策本部の中間報告(平成3年3月18日)を出し,看護婦をはじめとする保健医療・福祉マンパワーの確保に取り組んでいる.しかし,一方で近年の出生率の低下により,今後は若年労働者の確保が一層困難になることも予想されている.そこで家族の介護者はもとより,福祉業務従事者の負担の軽減を図り,高齢者,障害者に対するサービス内容をより充実させていくためにも,現在,介護機器を積極的に研究開発・普及することが緊急の課題となっている.
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