保健行政スコープ
介護機器等研究開発について—障害者や高齢者の自立した生活のために
重藤 和弘
1
1厚生省大臣官房厚生科学課
pp.150-151
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900755
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1.はじめに
わが国の人口構成の高齢化は急速に進行しており,2025年には65歳以上の高齢者は3,244万人,全人口に占める割合も25%を越える水準に達するものと予測されている.こうした高齢化社会の到来に伴い,老化に伴う身体的・精神的変化により介護を必要とする者が増加し,また現在介護を受けている高齢者や障害者がより密な介護を必要とするようになると考えられる.
このように増大していく介護需要に対しては,介護に従事するマンパワーの確保を推進し介護体制を強化することが急務であるが,併せて機器を用いることにより高齢者や障害者が自立した生活を営めるように支援し,さらに介護従事者の負担の軽減を図ることが求められている.しかし,現在利用者のニーズに合った機器は少ない.こうした現状を踏まえ,厚生省では,機器の研究・開発・普及を推進し有用な機器を提供することにより,来るべき長寿社会を明るく,豊かなものとするよう努力しているところである.
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