特集 これからの地域共生社会と病院経営の未来
地域をつくる病院経営の実際
ソーシャル・インクルージョンと病院経営—0歳から100歳まで地域に暮らす人を支える「まちづくり」
田中 志子
1
1医療法人大誠会内田病院
キーワード:
地域共生
,
認知症ケア
,
障がい者雇用
,
多世代交流
,
ごちゃまぜ共生社会
Keyword:
地域共生
,
認知症ケア
,
障がい者雇用
,
多世代交流
,
ごちゃまぜ共生社会
pp.221-224
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211638
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大誠会グループ(以下,当グループ)がある群馬県沼田市は,県北部に広がる北毛地域の中心都市であり,古くから木材の集積地・市場町として栄えてきた.しかし,近年は少子高齢化が進み,人口は約群馬県内12市中で人口が最も少ない4万6,000人の市となっている.その沼田市において,「地域といっしょに.あなたのために.」を理念に,医療・介護・福祉はもとより,近年は商業や農業も含めた第三の事業の拡大を図り,事業展開しているのが当グループの特徴である.
沼田市は県内北部山間の過疎地域のため,地元で生まれた多くの子どもたちは,成人すると東京都など都市部へ出ていってしまう.地域で育った子どもたちが,都会で永住するのではなく,故郷に帰ってきて暮らしたくなるような魅力のある場所にするためにはどうすればよいか.それを考えた時,働く場所や居場所があり,子育てがしやすく子どもが育ちやすい,高齢者に優しく安心して過ごせるなどを叶えるための,さまざまな地域の課題が見えてきた.その考えにスタッフや地域住民など多くの方が共感し,その過程でグループのコアとなる理念が,「まちづくり」に集約されていった.結果的に,障がいのある子を含めた子どもたちから高齢者まで,障がいや年齢の垣根を超えてみんなが住みやすいサービスを整えた当グループ独自の「地域包括ケアシステム」と言えるものとなっている.
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