連載 これからの病院経営の考え方・7
コロナ禍での手術,内視鏡検査
小松本 悟
1
1足利赤十字病院
pp.1084-1089
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211581
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新型コロナウイルス感染症により,外科手術や内視鏡検査に大きな支障をきたしている.また,感染症対策以外にも,新型コロナウイルス感染症受け入れ病床の増床が求められている.さらに,限られた医療資源を新型コロナウイルス感染症の重症患者へ集約化する方向性も示されてきた.そのため,外科医療全体にも影響が出ているのが現状である.そして予定手術の中で延期可能なものは延期するという対応が図られている.新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えるため受診控えによる外来患者数や検査が減少している.その結果,がんの発見の遅れが危惧されている.
日本消化器外科学会のアンケート調査1)によると手術実施件数が減少したという病院は2020年3月では40%,4月には57%に及んでいるとの報告がされている.その内,延期しないで優先される消化器がん手術があったとする病院は70%で,その主なものは膵臓がんと大腸がんであった.
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