連載 ケースレポート
地域医療構想と病院・33
地方独立行政法人加古川市民病院機構 加古川中央市民病院—公民統合のモデルケース:理事長のリーダーシップに基づく目標管理型経営の展開
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.157-163
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211139
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■病院の概要1)
加古川中央市民病院は,公民の病院統合のモデルケースであると評価されている.この統合には2つのステップがある.まず,2011(平成23)年に加古川市民病院と神鋼加古川病院とが統合し,地方独立行政法人加古川市民病院機構となった.その後,組織文化の異なる2病院の統合に向けた種々の取り組みがなされ,2016(平成28)年7月に新統合病院・加古川中央市民病院として開院している.加古川中央市民病院は,600床,32診療科を有する急性期総合病院であり,消化器センター,心臓血管センター,こどもセンター,周産母子センター,がん集学的治療センターの5つのセンターを中心に診療科間の連携を強化し,その総合力で救急医療を実践するとともに,医療職の教育研修機能の充実も図っている.高度医療についても計画的に対応しており,例えば内視鏡下手術支援ロボットのダヴィンチやマグネティックナビゲーションシステムなどの多くの新しい機器を積極的に導入している.
ともすれば病院経営は問題解決型の後追い経営になりがちだが,加古川中央市民病院は大西祥男理事長のリーダーシップの下,理念とそれを実現するための基本方針に基づいて中期計画・年度計画を策定し,各項目に対応したKey Performance Indicator (KPI)を体系的に構築した上で,その実施状況を独自開発したBIツールでモニタリングするという目標管理型の経営を行っている.
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