特集 病院マネジメント職に求められるもの
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部
pp.769
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210806
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病院経営をめぐる環境が激変する中で,病院マネジメント(事務)職の能力向上は,病院生き残りのための最重要課題の一つである.病院マネジメント職の能力向上に何が必要か.病院マネジメント職については,病院機能の拡大に対応して,経営企画,総務,秘書,経理,人事,広報,医事,情報,調達,管財など組織分化が進んできている.さらに,地域連携や医師事務作業補助など,多職種との連携が不可欠な病院マネジメント職の業務が拡大している.
しかし,医療現場に入ってみると,病院マネジメント職に対して期待される能力に,職員が追いついていないことも多いように感じる.高い技術と職務意識を持った優秀な医師や看護師は多数存在する.それらの優秀な医師や看護師を養成するための研修システムは,わが国において長い時間をかけて確立されてきた.病院を業界として見るならば,医師や看護師などの専門職のほとんどは医療業界で仕事を行い,病院は人材の最大の受け入れ先であった.したがって,病院を中心とした医師・看護師などの医療職の人材養成(典型は大学病院)は,わが国の医療の浮沈に影響する最重要事項でもあり,最優先されてきた.
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