特集 自治体病院改革は成功するのか
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント学科
pp.629
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209916
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2015年3月31日,総務省は全国の自治体病院関係者に「新公立病院改革ガイドライン」(新ガイドライン)を示した.これは2007年12月に公表された「公立病院改革ガイドライン」(前ガイドライン)を引き継ぐもので,総務省と厚生労働省が連携して作成作業を進めてきた.
前ガイドラインでは,自治体病院に対して,①数値目標を掲げた「経営の効率化」,②医師の配置や病床数の見直しを含めた「再編・ネットワーク化」,③民営化を含めた「経営形態の見直し」の3つの視点に立って改革プランを策定することが求められた.各病院がプランに基づき改革を進めた結果,2008年度に95.7%であった自治体病院全体の経常収支比率が,2012年度には100.8%に向上した.また,病院の統合・再編に取り組んだ事例は65ケース,162の病院に達し,2009年度から2013年度までに経営形態の見直しを行った病院は227病院に及ぶ.
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