特集 ダイバーシティ・マネジメント—多様性に対応する
医師の「働き方改革」のゆくえ
堀岡 伸彦
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1厚生労働省医政局医事課医師養成等企画調整室
pp.625-629
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210769
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●長時間労働は健康を損ねるだけでなく,仕事と家庭生活との両立を困難にし,少子化の原因や女性のキャリア形成を阻む原因,男性の家事・育児を阻む原因となっている.
●2017年3月,抜本的な働き方改革を目指した「働き方改革実行計画」が策定された.その中で「医師については,時間外労働規制の対象とするが,医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である」とされ,規制の適用を施行後5年間猶予し,2年後を目途に規制の具体的な在り方,労働時間の短縮策などについて新たに検討することとされた.
●医療の世界においても働き方改革が必要である.その中でも抜きんでて長時間労働なのは医師である.働き方の改革が求められることは当然であるが,応召義務や養成に時間がかかるなど医師の働き方改革は通常とは異なる困難さがある.
●わが国の保健医療が,医療従事者の負担と倫理観に過度に依存したシステムであってはならない.喫緊の課題として今まさに長時間労働を行っている医師の業務を軽減するため,他職種へ業務移管(タスクシフティング)をする必要がある.
●医師の特殊性とは何か整理し,それに応じた新たな仕組みを考えていくことが必要である.
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