研究
病院臨床研究推進のための研究倫理教育研修受講に関する分析
延命 吉世子
1
,
佐藤 栄梨
2
,
岡田 靖
3
1国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター・同事務局
2国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター・同臨床試験支援センター
3国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター
pp.316-321
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210691
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要旨
臨床研究の倫理指針において,研究者および臨床研究に携わる医療従事者は研究倫理教育研修の受講が推奨されている.当院は高度総合急性期施設として医師・メディカルスタッフ全員参加型の臨床研究を目指し,2014年度からeラーニング研修受講を義務化した.4年間にわたる受講者の修了率,未受講・遅延の要因および効果的支援について分析した.受講者は145名から505名(医師割合は51〜66%)に増加し,受講修了率は初年度97%,以後は100%を達成した.医師に比較し,臨床研究コーディネーター・放射線部・臨床検査科のeラーニング受講者は早期に修了していた.受講必須の組織風土の醸成と研究者の意識向上,研究事務局による受講支援体制の整備と達成状況の周知,事務局と倫理審査委員会との連携などが受講修了完全達成に有効であった.大規模急性期病院において,臨床研究倫理講習の徹底は臨床研究の質,ひいては病院の医療の質をも向上させる可能性がある.
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