連載 アーキテクチャー×マネジメント・4
公益財団法人湯浅報恩会 寿泉堂綜合病院
小林 健一
1
1国立保健医療科学院生活環境科学部
pp.240-245
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209823
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■はじめに
郡山市は東京から新幹線でおよそ1時間20分,福島県で最多の人口33万人を擁する中核市である.県庁所在地ではないが,東北新幹線・東北本線・磐越西線・磐越東線の鉄道網,そして東北自動車道・磐越自動車道が交わる交通拠点という地理的利点から,経済や流通の要衝として,仙台市に次ぐ東北地方第2の経済都市である.しかし,他の地方都市と同様に,商業施設の郊外化やモータリゼーションなどによって,中心市街地の人口減少・高齢化が進み,徐々に活力が失われつつある状況にある.そこで郡山市は近年,中心市街地の空洞化の解決策として,中心市街地活性化を積極的に進めている.駅北核・駅南核・大町核・中町核という「四核構想」を掲げ,郡山駅周辺に回遊性を持ったまちづくりを行い,平行して再開発事業も進めている.
寿泉堂綜合病院は,この郡山において,創業から128年にわたり地域医療を提供してきた歴史と伝統ある病院である.新病院の建設にあたっては,さまざまな検討を重ねた結果,市街地再開発事業を活用して郡山市の中心市街地を活性化し,病院と共に繁栄することを選んだ.
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