連載 病院勤務者のためのDPCデータ解析入門・10
—分析結果の実務への応用(1)—病院経営陣に必要な指標の作成方法
本野 勝己
1
1産業医科大学病院医療情報部診療情報監査室
pp.59-63
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210406
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■はじめに
これまで8回にわたりDPCデータの具体的な分析方法とともに,分析ツールの使用方法について学んできた.DPCデータを分析する意義は,自院の医療活動を可視化し評価することである.DPCデータは患者の一入院単位に着目すると,それは「診療プロセス」の分析となるし,月単位の切り方をするとそれは「コストボリューム」の分析となる.つまり,DPCデータの分析は病院経営の分析といっても過言ではないが,良質な病院経営を行うためには「臨床の質」「経営の質」「制度の質」という3つの「医療の質」に対する指標評価が必要であり,DPCデータだけではその評価を行うには限界がある.したがって,各医療施設は自院の現状や機能を評価するために必要な指標を検討し,それらがDPCデータやレセプトデータなど現在収集できているデータ類で十分に評価できていない場合は,その指標を新たに作成して収集する必要がある.
今回から2回にわたり「分析結果の実務への応用」という内容で,これまで学んできたDPCデータの分析手法をもとに,「病院経営陣に必要な指標の作成方法」と「医療職全員で共有する分析結果の使い方」について学習する.今回は「病院経営陣に必要な指標の作成方法」として「DPCデータからは得られない指標の作成方法とデータの質」について学習する.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.