特集 進化するDPC
巻頭言
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.97
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210033
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平成15(2003)年に導入されたわが国独自の診断群分類DPC(Diagnosis Procedure Combination)は,平成27(2015)年現在,DPC準備病院を含む約1,900の病院に適用され,退院患者数で約1100万件,病床数で約55万床をカバーしている.平成26(2014)年からは,データ提出加算を算定している病院にも同様のデータ提出が義務づけられ,さらにそのカバーする施設の範囲は広がっている.
本特集は,厚生労働省のDPC研究班に参加している研究者によって,DPCプロジェクトの目指してきたことを網羅的に説明し,関係者にさらなる情報提供を行おうというものである.松田論文ではDPCの目的とその開発過程について歴史的経緯を踏まえて説明した.紆余曲折はあったものの,医療情報の標準化とその各レベルでの活用という目的に向かってこのプロジェクトが進んできていることが理解していただけると思う.伏見論文では現在の研究班を率いる立場から,重要な検討課題となっている分類の精緻化(CCPマトリックスの作成),病院群の設定,機能評価係数Ⅱのあり方について論考されており,厚生労働省の担当者が意図するところを理解する上で参考になる.
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