特集 地域医療構想策定ガイドラインをどう読み解くか
—鹿児島県 姶良・伊佐地区における—模擬「地域医療構想調整会議」
池田 琢哉
1
,
佐藤 昭人
2
,
黒島 一直
3
,
風呂井 彰
4
,
松田 晋哉
5
,
今村 英仁
6
,
揚松 龍治
7
1鹿児島県医師会
2姶良地区医師会
3伊佐市医師会
4霧島市立医師会医療センター
5産業医科大学公衆衛生学教室
6公益財団法人慈愛会
7鹿児島県姶良・伊佐地域振興局保健福祉環境部
pp.564-589
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209904
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今回の地域医療構想の目的は,地域の実情に応じた医療提供体制を関係者の合意に基づいて作ることである.まず構想区域を設定し,現状と課題を把握し,2025年・2040年の医療提供のあり方を計画する.
地域医療構想調整会議は表1の4つのステップで進める.2015年6月に各二次医療圏単位,市町村単位で,病床機能別の病床数の推計値が出されたが,そこで示される数字の意味は地域によって違ってくる.データには限界があり,データにない情報交換や,裏にある現実を具体的に話し合うことが調整会議の重要な役割の一つである.間違えてはいけないのは,病床削減が地域医療構想の目的ではないということである.どういう医療提供体制が望ましいかを考えることが目標であり,その実現のために,人員補充,病床削減/増加などの条件を考える.この目的と手段を逆にしてしまうと議論が成り立たない.地域医療構想調整会議では,まずどういう医療が望ましいかを考えることが大事である.
なお,実際の地域医療構想調整会議における参加者は,医師会,病院団体や学識経験者のほか,歯科医師会,薬剤師会,看護協会,医療保険者,市町村や住民代表など,幅広く柔軟に選定することが望ましい.
また,ここで利用するデータの見かたについては,本号掲載の連載「医療の可視化と病院経営」(松田晋哉)第8回「地域医療構想調整会議で使用されるデータの解釈」(590ページ)を参照いただきたい.
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