実践・病院のマネージメント・6
病院のサービスについて(1)
井手 道雄
1
Michio IDE
1
1聖マリア病院
キーワード:
病院のサービス
,
個人
,
集団
,
組織の業績
,
組織の評価
Keyword:
病院のサービス
,
個人
,
集団
,
組織の業績
,
組織の評価
pp.1251-1255
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209756
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前号まで数回にわたって,病院でも他の企業と同様に,設立理念の確立と戦略的思考が重要であることを示してきた.また,戦略に基づく各戦術を展開する際には,病院のもつ力,特に潜在資産の分析と開発が重要で,それを引き出して別の新しい商品に仕上げなければならないことを指摘してきた.言い換えれば,地域住民が医療に対して期待していることを,病院のもてる力を使って具体化し,かつ伸ばしていくことが重要となり,病院を取り巻く環境の変化のなかでは,今後を左右するポイントの1つとなることを強調してきた.
第2に,組織の戦略と戦術の実施に当たっては,組織の発展の危機——先見性がいつの間にか独善に陥るような——に対する対応も常に考えておかねばならないこと,そして第3に,病院においては,従来のどんぶり勘定的な考えではなく,現在多くの企業で採用されている経営分析の手法は病院にも応用が可能で,今後これらの手法を早急に採用していく必要性を示した.特に,量的拡大の時期が終わったわが国の病院では,今後,これらの手法は避けて通れないと考えられる.本院でも,これらの手法に関する知識をもち,それを実際に応用し得る者はまだまだ少数であり,今後早急に全職員に浸透させねばならないと考えている.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.