特集 地域づくりと病院
地域づくりと病院を考える
増田 進
1
Susumu MASUDA
1
1沢内村国保沢内病院
pp.923-925
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209678
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地域と病院
地域医療が流行語だが……
今,地域医療という言葉が流行語のように使われているが,本当に病院が地域のために働いているかといえば,やはり疑問である.集団検診をやっている,在宅ケアも試みている,だから地域医療を行っていると言われても,地域の患者を診ているから地域医療だというのとあまり変わらないように思う.積極的な地域志向とは違うのである.
元来,医療も含めて,"技術は地域を越えて広く普遍化するほどよい"とされてきた.医療で言えば,患者が遠くから来るほどいい病院であり,名医だといわれる所以である.だから目の前の地域の健康問題より,もっと広い医療ニーズにのみ病院が関心を持つのも無理からぬことであろう.
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