特集 地域づくりと病院
地域づくりへのアプローチ
亀田 俊忠
1
,
高橋 昭雄
2
,
中澤 忠雄
3
,
大塚 暢
4
,
藤村 操
5
,
森 俊介
6
,
戸栗 栄三
7
Toshitada KAMEDA
1
,
Akio TAKAHASHI
2
,
Tadao NAKAZAWA
3
,
Nobu OHTSUKA
4
,
Misao FUJIMURA
5
,
Syunsuke MORI
6
,
Eizo TOGURI
7
1医療法人鉄蕉会亀田総合病院
2埼玉協同病院
3医療法人財団加納岩総合病院
4聖隷福祉事業団
5弥栄町国保病院事務局
6琴海町立病院
7聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
pp.926-945
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209679
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地域のためにこそ広い視野で
—亀田総合病院
病院にとっての地域とは
病院にとっての地域とは何でしょうか.対象患者の分布するいわゆる医療圏,行政単位から見た地域,病院を企業として見た場合の影響圏等,様々なとらえ方ができましょう.そして,医療圏に関しても,病院の使命が,訪れる患者さんに偏りなく応えることである以上,一定の範囲を設定することは無理ではないでしょうか.
例えば当院では,ある診療科では90%以上の患者さんが半径30km以内の地域から訪れるのに対し,一方の診療科では90%以上が県外からの患者さんで占められるといった具合に,専門領域によって医療圏は大きく異なっております.また,単なる患者数だけで活動圏を設定することにも問題がありましょう.例えば,当院の救急医療を例にとると,件数では千葉県南部が圧倒的に多いのですが,その活動範囲を考える場合には,伊豆諸島や横須賀米海軍病院からのヘリコプターによる搬入患者を無視することは決してできません.
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