精神病院・地域ケアのための組織づくり
アルコール医療とセルフケア—病院と地域のネットワークのなかで
小池 健
1
,
大井 孝
1
,
小野 仁彦
1
,
秋葉 康二
1
Takeshi KOIKE
1
,
Takashi OHI
1
,
Hitohiko ONO
1
,
Kohji AKIBA
1
1医療法人船橋北病院
pp.870-876
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209665
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●はじめに
アルコール依存症者(以下,ア症者)は,疾病の特徴から,医療現場でも理解されづらいという状況におかれている.当院でも,昭和59年6月開設当初は一般精神病院と同じ運営のなかでア症者の治療を行ってきたが,1年を経過するうちに種々の問題が発生し,治療上の困難さを痛感するに至った.そこで昭和61年11月に男性を対象としたアルコール専門病棟を新設し,本格的な取り組みを開始することにした.
病棟の構造を考えるに当たっては,患者の治療環境を第1に,治療プログラムが円滑に行われるように配慮した.病棟内は閉鎖部門27床と開放部門78床とに分け,中間にナースステーションをおいて看護管理を行っている(図1).スタッフは専従医2名,看護者23名,ケースワーカー3名が他部門と協力しながら運営に当たっている.
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