特集 看護マネージメントの新しい波
看護量評価の考え方
渡邉 亮一
1
,
関場 泰
2
,
前田 マスヨ
3
,
坪井 博之
3
Ryoichi WATANABE
1
,
Yasu SEKIBA
2
,
Masuyo MAEDA
3
,
Hiroyuki TSUBOI
3
1東京大学医学部附属病院中央医療情報部
2公立藤田総合病院
3東海大学病院看護部
pp.395-402
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209553
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適正な看護婦数の算定を目的とした看護量評価の課題
はじめに
病院においてどの程度の看護婦が配置さるべきかは,昭和23年の医療法施行以来の問題である.病院における医療の質を確保するために,医療法施行規則では患者数当たりの看護婦数の標準が定められ1),また診療報酬の支払いのために,基準看護でも患者当たりの看護婦数の基準が定められている.しかし,このような基準では,患者に要する看護量はどの患者においても一律に考えられ,患者の多様性,すなわち患者によって看護ケアのニードが異なるという点が考慮されていない.
そのため,実際の看護の現場では,このような基準による人員配置では不十分であること,すなわち配置人員の絶対数の不足や人員配置の不均衡を指摘する人が多く,それを是正するための努力が払われてきた.しかし,人員配置の不十分さを裏づけるような客観的な資料が乏しかったために,残念ながら,必ずしもその努力に見合う十分な成果は得られていない.
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