特集 看護マネージメントの新しい波
特III類の導入とこれからの看護管理
山崎 絆
1
,
岡部 はま子
2
Kizuna YAMAZAKI
1
,
Hamako OKABE
2
1財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院
2長野赤十字病院看護部
pp.403-407
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209554
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当院における特III類の取得過程と今後に期待すること
はじめに
基準看護は,昭和25年につくられた「完全看護」を,昭和33年に「基準看護」と名称を改めたもので,今日まで約30年間の歴史を持つ.昭和40年代に入り,医療は専門分化と高度化がめざましく進んだ.例えば,それまでは,病棟のナースステーションの最寄りの位置に重症患者を収容する「重症室」または「観察室」が設けられていた.昭和40年代に入ると,それが術後リカバリールーム,ゼネラルICU, CCU, NICU, HCU,救命救急センターなどの名称となり,診療科目を問わず重症患者や術後患者を集合して収容し,高度医療を集中的・継続的に行う独立したユニットとなった.
これらの高度医療を患者に連続して提供するユニットでは,看護婦も質的に専門性の高い知識と技術を要求され,数的にも患者1〜2名に対して,看護婦が1人常時担当する(3交替制では3倍必要となる)形態が定着してきた.この間に,基準看護は,昭和47年に特I類(3:1),49年に特II類(2.5:1)が設けられたが,現場では,この基準どおりでは実践不可能なほど看護婦の数を必要としており,当院では実際に基準の2倍の看護婦が現在勤務している.したがって,昭和63年に設けられた特III類は我々の病院にとっては,スムーズに取得できるはずであった.
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