人
五感六力を身につけたリーダー 兵庫県立尼崎病院長 後藤保郎氏
諸橋 芳夫
1,2
1(社)日本病院会
2(社)全国自治体病院協議会
pp.16
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209459
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再建王と呼ばれる大山梅雄氏は,リーダーの条件として,使命感・正義感・責任感・危機感・満足感の五感と,知識力・判断力・説得力・行動力・包容力・忍耐力の六力を挙げておられる.後藤保郎先生こそ,この五感六力を備えた人といえる.
先生は昭和23年9月に京都大学医学部医学科をご卒業になり,インターン終了後,京大眼科に入局,研鑚一年にして県立尼崎病院に今日まで38年間勤務.その間,眼科医長・部長を経て昭和51年4月以来13年間近く院長職に補されている.特筆すべきは,医師としての研鑚はほとんどすべて現在の病院で行い大成されたことである.未熟児網膜症に対して逸早く網膜光凝固術を導入,白内障,緑内障,網膜剥離等の手術症例も35,000件を突破,開眼に全力投球されて好成績を得,眼科の神様として県民に絶大なる信頼を得ておられる.それ故,昭和61年7月に107億円で病院が移転新築されるに当たって,県当局はもちろん,地元民,医師会からも支援賛成を得,県の基幹病院として完成され,更に東洋医学研究所を併設,厚生省から地域医療情報システムモデルとして指定されるなど,すべて先生の人徳によるものである.先生の努力は大変なもので,朝早くから夜は11時帰宅という超人的な働きで新病院建設後も健全経営を続けている.
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