増刊号 日本の病院建築
国公立的病院の建築
兵庫県立尼崎病院を運用して
藤岡 晨宏
1
Akihiro FUJIOKA
1
1兵庫県立尼崎病院
pp.76
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901072
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新しい県立尼崎病院が完成し,私たちが新病院,新システムで仕事を始めてからちょうど5年が経過した.新病院の特色といえば,第1に職員の希望やアイディアをできる限り設計思想の中に組み入れた,いわば私たちの手づくりの病院といえることである.マスタープランを職員の一人である外科部長が作り,県の営繕課の技師たちが基本設計,さらに実施設計と仕上げてでき上がった病院である.その間には,医師や看護婦,さらにコメディカルの実に多くの人が建築のための各委員会に参画し,職員たちの経験からの要望を十分に盛り込んだという経緯がある.運用してみての評価を私たちが行うというのは,我田引水といわれても仕方がないかもしれないが,ここではなるべく客観的な視角から新病院の検討を行ってみたい.
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