特集 これからの公衆衛生看護教育を考える
地域保健・医療・福祉サービスと公衆衛生看護教育—地域医療の視点から
黒岩 卓夫
1
Takuo KUROIWA
1
1国民健康保険町立ゆきぐに大和総合病院
pp.87-89
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900515
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■はじめに
“公衆衛生看護教育を考える”という大きなテーマの中で,地域医療の視点から筆者の考えを述べることになった.筆者は教育ということはこれまであまり考えたことがない.考えたことがあるとすれば健康教育であろうし,あるいは学校教育を自分が受けたという経験程度である.
しかし最近では,自分の子どもたちの教育,いや学校教育を親の立場から眺めたり,少々かかわらざるをえないという点で,教育を改めて考えさせられている.こうしたささやかな経験の中で得たものは,教育とは教えることではないということである.敢えて肯定的な表現をつかえば,学ぶ意欲が創られるような,プログラムが教育だと思う.
さて,まわりくどい表現で「地域保健・医療・福祉サービスと公衆衛生看護教育」を地域医療の視点からというテーマであるが,要するに地域医療の中で,保健婦に何を期待するかということであろう.
こうした枠組みの中で,筆者の経験をふまえて考えを述べさせていただく.なお福祉や保健は,それぞれ独立して論ぜられることになっているので,医療に重点がおかれることになる.
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