特集 民間病院のこれから
てい談
これからの民間病院の在りかたを考える
河北 博文
1
,
大田 浩右
2
,
児玉 博行
3
Hirobumi KAWAKITA
1
,
Kousuke OHTA
2
,
Hiroyuki KODAMA
3
1財団法人河北総合病院
2医療法人大田記念病院
3大原記念病院
pp.1029-1037
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209194
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河北 本日のテーマは「民間病院の在りかたを考える」ということですが,とっかかりとして,いきなり変な話題から入り恐縮ですが,「世の中で一番常識のない人間は,医者と学校の先生である」とよく言われています.しかし,今後の社会においては,教育と医療は非常に大きな社会的使命を担っていくのは当然であり,そうであれば,われわれはいつまでもそういう誹謗を受けてばかりはいられず,今後の社会の流れ,例えば情報化,ソフト化,国際化,規制の撤廃,そして高齢化--これは今後直面する最大の難問だと思いますが--といったものをしっかりと見据え,医療人として,更に細かく言えば民間病院の立場から,今後の医療の進むべき道,そしてその対応などを考えていかなければなりません.
その前提として,最近CI,すなわちコーポレイト・アイデンティティ(Corporate Identity)という言葉が流行していますが,これは組織のイメージの統一という意味で使われています.ところが実際には,イメージの統一といってもロゴマークをつくるとか,社名を換えるとか,悪く言えば誤用されている.アイデンティティ本来の意味は「自分のことを自分の言葉で他に明確に説明できること」なんです.つまり,自分の実体を把握していなければ,アイデンティファイできない.
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