医療・病院管理用語ミニ辞典
—治療薬—サイトシン・アラビノサイド/—外科手術—トルキルドセン・シャント
山口 潜
1
Hisomu YAMAGUCHI
1
1虎の門病院血液科部
pp.591
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209101
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サイトシン・アラビノサイド(Ara-C,一般名シタラビン)は,急性白血病の寛解導入剤として従来アントラサイクリン系薬剤(特にダウノマイシン;DM)と併用投与され,1日投与量は80〜120mgぐらいが一般的であった(標準量Ara-C).本剤は消化器・循環器に対する毒性も少なく,抗白血病剤として最も使用しやすいものの一つで,血液脳関門を通過して,大量投与時に髄腔内濃度が髄膜白血病の治療域に到達しうる.また,in vitroの観察成績によると,Ara-C耐性となった例でもその投与量を増加することにより一部の急性白血病症例は感受性を示すようになる.
一方,Sachs(1978)はAra-Cを含む白血病細胞の分化が白血病の治療に応用しうる--急性白血病の腫瘍細胞は幼若な段階で分化が阻止された状態でこれを打破することが治療の必要条件の一つである——と考えた.
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